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King Crimson / In The Court Of The Crimson King

In the Court of the Crimson King
King Crimson
WHD (2005-02-22)
売り上げランキング: 15719

キング・クリムゾンの全てはここに始まり、ここに帰結するというくらい、その後の全アルバム、そして現在も良い意味においても悪い意味においても重くのし掛かっている、巨大な背後霊的ファースト・アルバム。

King Crimson Line-up 1
第1期 オリジナル・クリムゾン

In The Court Of The Crimson King : クリムゾン・キングの宮殿
1st Album : 1969

Side A
1 : 21st Century Schizoid man : 21世紀の精神異常者
 including Mirrors inc :ミラーズ
2 : I Talk To The Wind : 風に語りて
3 : Epitaph : 墓碑銘
 including march For No reason : inc:理由なき行進
  Tomorrow : 明日又明日

Side B
1 : Moonchild : ムーンチャイルド
 including The Dream : inc:ドリーム
  The Illusion : 幻想
2 : The Court Of The Crimson King : クリムゾン・キングの宮殿
including The Return Of The Fire Witch : inc:帰って来た魔女
  The Dance Of Puppets : あやつり人形の踊り

Personal :
Robert Fripp : guitar
Ian McDonald : reeds,woodwind,vibe,keyboards,mellotron,vocals
Greg Lake : bass guitar,lead vocal
Michael Giles : drums,percussion,vocals
Pete Sinfield : Words and illumination

この影響下からほんの少しでも抜け出すことが出来たのは、第4期 ディシプリン・クリムゾンだけだと思いますが、果たしてこのアルバムの影響下からはみ出るものがクリムゾンか?という疑問や、反対にセカンド以降のバンドとこのオリジナル・クリムゾンとは全く別のバンドではないか?という疑問を持たせるなど、ややこしくも、それだけに混沌としたクリムゾンという存在を象徴するイコンとしてもっとも相応しいアルバムだと思います。

後に英米混成バンドForeignerを結成するI.McDonald、EL&Pを結成するG.Lake、I.McDonaldとともにMcDonald&Gilesを結成するM.Giles、ソロやPFM、Roxy MusicのプロデュースなどをつとめたP.Sinfield、そして今日までクリムゾンを背負って立つR.Frippの5人の力が非常に高いレベルで発揮されたアルバム。「21世紀の精神異常者」はメタリックなだけではなく、ジャジーかつハードな演奏が繰り広げられ、「風に語りて」「ムーン・チャイルド」の叙情性とその裏の狂的な、なにか底なしの絶望感を感じさせる「エピタフ」、「クリムゾン・キングの宮殿」での頑強なまで楽曲の構築性、そしてアルバム全体を通しての激情/鎮静のコントラストやロック、ジャズ、トラッド・フォーク、クラシックなど様々な手法をまとめあげた構成力、どれをとっても発売から30年を経た今現在の視点で見ても古びたものを感じさせる事無く、強力な楽曲群・アルバムに仕上がっています。

惜しくらむは「ムーン・チャイルド」の後半におけるフリー・インプロビゼイション部分、ここだけは今となっては少し冗長かつ前後との繋がりが感じられないために、必要性をあまり感じさせない演奏に仕上がっているように感じられます。実際に、のちの4枚組・ベストアルバム「紅伝説」においては収録時間の関係もあるのでしょうが、見事に後半のインプロ部分はカットされていました。

クリムゾンを語る際に決して外すことの出来ない、もっと言えば「クリムゾンといえばこれを出しておけばオッケー」という、代表作とされるこのファースト・アルバムなんですが、だがしかし、これ以降のR.Fripp主導のもとに製作されるクリムゾンのアルバムとは決定的に違い、主導権は圧倒的にI.McDonaldにあるかに思えます。よく「4人の個性がぶつかりあって」という評を見ますが、それ以上にファーストにおける楽曲の精巧な構築性、緻密さ、暴力的な面と叙情的な面のバランスなど、I.Macdnaldの抜けたセカンドと比較すれば彼の影響力の大きさは明らかではないかと思います。

好調なスタートを切ったかに思えた第1期オリジナル・クリムゾンも、I.McdonaldとM.Gilesは度重なるツアーによる疲労や、ツアーよりも恋人との時間を大切にしたかったからなどの理由から脱退を決意、G.LakeもKeith Emerson、Carl PalmerとのEL&Pの結成に走るなど、第1期オリジナル・クリムゾンは同一メンバーでのセカンドアルバムを作ることなく瓦解。もし同一メンバーにて幻のセカンドが作られたとするならば、実際のセカンド・アルバム「ポセイドンのめざめ」とMcDonald&Gilesの唯一のアルバム「マクドナルド&ジャイルズ」を足して2で割ったものじゃないかと予想されます。

しかし、どちらにせよ、この時期のメンバーによってバンドが継続していたとしたならば、のちの第2期の迷走ぶりはなかったにせよ、充実した第3期以降が聞けたかどうかは少し疑問にも思えるので、私としては後々から考えれば良かったのかなぁ?とも言えます。

私にとって、完璧に近いほどの完成度を誇るアルバムであり、のちのクリムゾンの世界をほぼ総て内包しているのにも関わらず、私の中では「これはクリムゾンだけどクリムゾンじゃない」っていう別格な位置に属するアルバムです。



2006/12/13 追記
邦題で「クリムゾン・キングの宮殿」と名付けられたこのアルバムから枝分かれ的に発生したバンド、「McDonald & Giles」や「EL&P(ちょっと違うかもしれないけれど、個人的には派生的なバンドかな?)」、第2期以降のKing Crimson、そして叙情的な面のみを追ったフォロワー・バンドは多数あると思いますが、どれ一つをとってもこのアルバムの多面的且つエネルギーの濃さに適うものは無いと思っています。叙情的な面を追ったとしても、暴力的・破壊的な面を追ったとしても、フォーク・トラッドな面、ジャジーな面、それらを個別に追ったとしても当然決してこのアルバムにはならず、それらが5人のメンバーによって高い次元で融合した奇跡がこの「宮殿」でではないでしょうか。

今聴いても凄いアルバムだなとつくづく思い知らされます。

そこでR.Frippは「宮殿」の路線を2nd「ポセイドンの目覚め」で踏襲しようと試みますが、そこは1stでの主導権を握っていたと思われるI.McDonaldはおらず他のメンバーも脱退を表明していたバンドとして成り立っていない第2期King Crimsonでは到底「宮殿」には及ばないものしか造り上げる事は出来ず、3rd・4thと迷走を続け、ようやく5th「太陽と旋律」により「宮殿」からの呪縛から解き放たれR.Fripp自身を投影した真のKing Crimsonが始まったのだと思っております。

King Crimsonのアルバムは版元が替わったり、Difinitive Editionと銘打ったヴァージョンが出たり、結成30周年記念リマスターやら紙ジャケやら、CDフォーマットになってからも多数のアルバムが繰り返し発売されてきた訳ですが、この「宮殿」に限ってはオリジナル・マスター・エディション盤というものが発売されました。それについては以前ここ(ブログ内リンク「King Crimson _ In The Court Of Crimson King - Original Master Edition」)に書きました。

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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

tag : Crimson Fripp

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