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King Crimson / Islands

アイランズ(紙ジャケット仕様)
キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント (2006-02-22)
売り上げランキング: 81382

メンバーが固まらずにライブが出来なかった過去2枚のアルバムを経て、ようやくライブの出来るメンバーが集まり製作されたアルバム。

King Crimson Line-up 2
第2期クリムゾン

Islands : アイランズ
4th album : 1971

Side A
1 : Formentere Lady : フォーメンテラ・レディ
2 : Sailor`s Tale : 船乗りの歌
3 : The Letters : ザ・レターズ

Side B
1 : Ladies Of The Road : レディ・オブ・ザ・ロード
2 : Prelude : Song Of The Gulls : プレリュード;カモメの唄
3 : Islands : アイランズ

Personal :
Robert Fripp : guitar,Mellotron,Peter's pedal Hamonium and sunday implements
Mel Collins : flute,bass flute,saxes and vocals
Boz : bass guitar,lead vocals and choreography
Ian Wallace : drums,percussion and vocals
Pete Sinfield : words.sounds and visions

Featured players
Keith Tippett : piano
Paulina Lucas : soprano
Robin Miller : oboe
Mark Charig : cornet
Harry Miller : string bass

しかし、このアルバムにおける今までとは別種の叙情性は、明らかにR.FrippよりもP.Sinfieldに主導権が握られてアルバム造りが行われたように思えます。

また、ゲスト参加しているK.Tippettらジャジー組が幅を利かせているだけでなく、今までのメロトロンによるストリングスに加えて、本物のストリングを多用していることなどもアルバム全体の叙情性を高めた大きな要因となっています。

生のストリングスの効果とBozの震えるような線のヴォーカルも手伝って、特に「カモメの歌」?「アイランズ」の流れはP.Sinfeld色の非常に濃い、「ウェット」というより「湿った」というほうがよりニュアンスとしてピッタリくる楽曲群となっています。人肌のような暖かみがあり、かつ、壊れやすいガラスのような手触りのこれらの楽曲達は、この時期のクリムゾンにしか出しえない名演奏だと思います。

また、全編に渡ってP.Sinfieldに主導権を握られているように見受けられるR.Frippもインストルメンタル「船乗りの歌」ではそれを取り戻し、ロックとジャジーなテイストを上手くミックスさせた佳曲に仕上げています。

「レターズ」や「フォーメンテラ・レディ」といった曲も収録されていますが、P.Sinfield色が強すぎるように感じられ、その詞や雰囲気の醸し出す「匂い」が往々にして鼻につく気がして、私としてはあまり好きではない楽曲です。

しかし、詩情性を重んじているこのアルバムはオリジナル・クリムゾンにあった叙情性と衝動性のバランスの片側、叙情性のみを強力に推し進めたものであり、本来のクリムゾンというアイコンからは逸脱し偏ったものになっているように思えます。ですが、妙な話ですが、それだからこそ、このアルバムが良い仕上がりになっているとも思えますがね。

また、後述する「Earthbound」にて聴くことの出来るような、詩情性・叙情性などを取っ払った、全く正反対の暴力的なこの時期のライブも一部では評価が高いようです。が、しかし、こちらはこちらでP.Sinfieldや初期のメンバーによってもたらされていた知性的・思考的な面がほとんど感じられない「肉体衝動全開・一発オーケー」的なものになっており、また違った意味でクリムゾンという枠から非常にズレたモノとなってしまっています。R.Frippがこのメンバーでのクリムゾンに見切りをつけ解散させたのも無理はないかなぁと思います。

「偏った」とか「鼻につく」とか色々書きましたが、そんなこと言いつつも非常に気に入っているアルバムです。



2006/12/18 追記
これを書いた頃にはのちにこの時期のメンバーによるライブ・アルバムがコレクターズ・クラブやらDGM Live!などから、これほどまでに続々とリリースされるとは想像もしていませんでした。マニアの為のKing Crimson Collectors Clubだっていうのは分かっていますが、それにしてもこの時期のライブ出し過ぎ。

それらを聴いてみてもやはり、「Islands」というアルバムの指向性とはまるでベクトルが逆を向きまくっている肉体派バンドのライブでした。B.Barrellのヴォーカルもアルバムとは打って変わってガナリ立てるような粗野なものですし、他のメンバーの演奏もフリーキーで激しいものとなっています。それらに引きずられずに一人置いていかれている感もあるR.Frippの所在なさ気な演奏も聴く事が出来ますが、後年のようなインプロヴィゼーションと構築性の両立などといったシチ面倒臭い事は全く考慮に入っていないであろう、この時期のKing CrimsonはやはりR.Frippの理想とするKing Crimsonでは無かったのではないかと思います。

しかしながら2006年に日本でも発売された「Collectors King Crimson Vol.10」中のDisk-4「Live in Brighton October 16, 1971」に収められているM-6「Islands」、これはこれまでのライブとは異なり、スタジオ・アルバムと同じく静謐な美しさをたたえた楽曲となっています。R.Frippと他の3人との指向性の違いを仲違いではなく作品に昇華させる事が出来たのであればまた違った展開が見れたのではないかとも思ったりします。

私にとっては「In The Court Of Crimson king(クリムゾン・キングの宮殿)」とは違った意味で、このアルバムも「これはクリムゾンだけどクリムゾンじゃない」とも思えるアルバムです。

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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

comment

管理者にだけメッセージを送る

最近トムヨークにはまって、しばらくKCから離れていたのですが・・・記事を読ませていただいて、「ああ、なるほど・・・」と久々CDを引っ張り出したくなりました。
実は数あるKCのアルバムの中でも、アイランズは特に好きなんです。ひょっとしたら一番好きかも。叙情的なとこがいいのかなあ、あの全体の妙なバランス感覚というか構成というか、音の雰囲気というか、全てに思いが篭っているというか、とにかくいいですねえ。

ブライトンのライブ

アイランド、タイトル曲やセイラーズ・テールは良い曲ですよね。
KCCCで出たブライトンのライブや、DGM Live で出た1971年4月のズーム・クラブのライブは、後の方の崩れたブルースバンド(^^; じゃ無くて、このアルバムの雰囲気が残っている良い演奏だと思います。

>>かくさんさん

書き込みありがとです~。

アイランズは「~このアルバムも「これはクリムゾンだけどクリムゾンじゃない」とも思えるアルバムです。」なんて書いちゃっていますが、わたしもやはり今でも大好きなアルバムです。

アルバム・タイトルともなっている「Islands」は後期のドライさとは全く違う、ウェットでリリカルな傑作だと思っています。このアルバム、良いですよねぇ。

>>taknomさん

書き込みサンクスでございます。

Sailor`s Taleも良いですよね。などと言っておきながら、実を言いますとこの時期は特にライブ・アルバムが多発されているため、ちょっと食傷気味でして、DGMのこの時期のライブは買っていなかったりする不信心者だったりします。オタクを名乗る資格無しですな(遠い目)

今度買って聴いてみようと思います。情報ありがとうです~。
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