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King Crimson / Starless And Bible Black

暗黒の世界(紙ジャケット仕様)
キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント (2006-02-22)
売り上げランキング: 27812

J.Muirが脱退したのちに、彼の影響によるインプロヴィゼイション的側面をより高めた強力な一枚。

King Crimson line-up 3
第3期クリムゾン

Starless And Bible Black : 暗黒の世界
6th album : 1974

Side A
1 : The Great Deceiver : 偉大なる詐欺師
2 : Lament : 人々の嘆き
3 : We`ll Let You Know : 隠し事
4 : The Night Watch : 夜を支配する人々
5 : Trio : トリオ
6 : The Mincer : 詭弁家

Side B
1 : Starless And Bible Black :  暗黒の世界
2 : Fracture : 突破口

Personal :
David Cross : Violin,Viola,Keyboards
Robert Fripp : Guitar,Mellotron,Devices
John Wetton : Bass and Voice
William Bruford : Percussives

とにかくA?1、2を除く楽曲群総てがライブ録音だというのがまずはノケぞる。ライブ録音といっても、記録/資料的録音とは違い、ライブ会場をスタジオと見なし、巧みに歓声などを消す処置を施した録音状態の良さと各曲の配置・構成の妙が相まって、ライブを至上の音楽形態と見なすバンドの高いレベルにおける演奏を聴くことが出来ると思います。

と、知った風に書いている私などは前情報としてそのことを知っていたから何なんですけども、この録音では発売当時、誰も気づかなかったんだろーなぁ。

A面では「偉大なる詐欺師」のメタリックなリフの嵐や、前作から受け継がれたドライなリリカルさが光る「夜を支配した人々」などか曲が目白押しなんですが、A面のハイライトは誰が何と言っても「トリオ」でしょう。ドライさが目立つこの時期の叙情的曲群ですが、この曲だけはドライ/ウェットとはまた違い、このバンドでは珍しく瞑想的な美しさを誇る名曲に仕上がっています。

ただ、この曲が全編即興にて創られたっていうのはどうしても納得がいかないんですね、これが。「この曲を即興にて創りあげるほどこの時期のバンドのレベルは高かった」なんていう評を見かけますが、この曲における飽和状態から見事にラストへまとまってゆく構成からして、即興曲とは考えにくいんじゃなかろうか?
まぁ、どちらにせよ、この曲が第3期における一級品の楽曲だという思いは変わらないんですがね。

そしてファンならば誰もがベスト・サイドと認めるんじゃないかと思うB面「暗黒の世界」?「突破口」への流れ。メンバー各人が内に籠ったインタープレイ的即興に走り、収束点を見出せないまま繰り広げられる「暗黒の世界」から一転して、Frippによる高度に構築され、突破口と名乗りながらも徐々に不安を掻き立て、その頂点においてデッド・エンドなラストを迎える「突破口」。もう2曲の流れはいつ聴いても極度の緊張感と快感を与えてくれます。この時期の即興面と構築面の対比における頂点に達したかに思える楽曲となっていると思います。

ただし、この時期のライブにおける緊張感は只者ではなかったらしく、ツアーによる疲労を理由にD.Crossが脱退してしまいます。実は前のアルバムにてバランサーとしての役割も担っていたのではと思われるJ.Muirが抜けたことにより、B.Bruford+J.Wettonの暴走リズム組とR.Fripp+D.Crossのリリカルリード組の間のバランスが微妙に崩れた結果の脱退劇ではと思います。そして、バンドは第3期ラスト・アルバムとなる「レッド」へと進んでゆく訳であります。

P.S. 第3期クリムゾンを語る際に必ずといっていいほどだされる「白魔術の影響が??」といったものや「錬金術における白から黒そして赤へ至る??」といった、実際の音楽とは全く関係ないイディオムで一括りにするのは、私としてはそろそろお腹イッパイって気がします。

どんなにそれらを突き詰めていっても実際の音楽とはかけ離れた着地点にしか辿り着けないのだろうし、正直言って字数稼ぎにしか思えません。

まぁ、音楽を文章にて表現しようとした時点で、このページも含め、明らかに間違っていることは誰の目にも明らかなんですがね(苦笑)。



2006/12/20 追記
このエントリーの初めにも書きましたように、このアルバムに収められている曲の多くがライブ音源を基本としてそこへオーヴァーダブを追加し完成とされたものなのですが、その「Starless And Bible Black」の元となったライブ音源が「The Nightwatch Live at Amsterdam Concertgebouw November 23rd 1973」として1997年に発表されました。いやはや、人間長生きするもんですな。

スタジオ・アルバムである「Starless And Bible Black」と元となったライブ音源「The Nightwatch」を聴き比べて「あぁ、ここでカットされてあぁなったのか!」などと感慨に耽るのも一興かと。あ、それとiTunesにアムステルダム音源(「The Nightwatch」)やグラスゴー音源(「October 23, 1973 Apollo Glasgow, Scotland」from DGM)などのライブ音源をリッピングして、プレイリスト「原音・暗黒」を造ってみるのも乙...、乙かぁ??

そうそう、A-5「Trio」はそのタイトル通り、R.Fripp (Mellotron)・J.Wetton (Bass)・D.Cross (Violin)の三人での演奏となっているのですが、演奏に直接参加していない筈のBill Brufordも作曲に名を記されていて、表記はというと「Admirable Restraint (賞賛に値する抑制)?Young Person's Guide To King Crimsonライナーより」となっていました。ちょっとイイ話だ。

「黙っていてくれたこと(意識的に沈黙を守る事)」が曲作りに貢献した為クレジットしたとの事。実際に物事を作り上げてゆく際に何でもかんでも足していく事は容易いのですが、作り上げてゆくものから「引く事」、「足さない事」は足す事の数倍も難しい事だと思います。有名な話ですが「Trio」のところで書き忘れたので改めて追加しておきます。

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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

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