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King Crimson / Red

レッド(紙ジャケット仕様)
キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント (2006-02-22)
売り上げランキング: 67699

J.Muirに続きD.Crossも脱退してしまい、強烈な個性を持った3人が創りあげた第3期、もっと言えば、キング・クリムゾンのラストを飾る(はずだった)アルバム。

King Crimson line-up 3
第3期 レッド・クリムゾン

Red : レッド
7th album : 1974

Side A
1 : Red : レッド
2 : Fallen Angel : 堕落天使
3 : One More Red Nightmare : 再び赤い悪夢

Side B
1 : Providence : 神の導き
2 : Starless : 暗黒

Personal :
Robert Fripp : Guitar and Mellotron
John Wetton : Bass and Voice
William Bruford : Percussives

With thanks to:
David Cross : Violin
Mel Collins : Soprano Saxophone
Ian McDonald : Alto Saxophone
Robin Miller : Oboe
Mark Charig : Cornet


ゲストには前作で脱退したD.Crossやそれまでのアルバムに関わってきたM.Collins、M.Charigなどが加わっており、そして何と言ってもオリジナル・クリムゾンのもっとも重要なメンバーだったI.McDonaldが参加していることが重要なポイントだと思います。

このアルバムを製作した後に行われるはずだったツアーから正式メンバーとして復帰する予定だったらしいのですが、R.Frippの突然の解散宣言により、それは帳消しとなったようです。I.McDonaldが正式メンバーとして作曲面・演奏面でどのような働きを見せたのか非常に気になるところなので、この時点での解散は非常に勿体ないものになった気がします。

出だしからこの時期を象徴するハードでメタリックに歪んだギターを聴かせる「Red」、この曲は第4期以降の数多くのライブで演奏され、なおかつ第5期においては一つの手本として公言されるほど、以降のクリムゾンにとって重要な楽曲となったものです。

また、J.Wettonの伸びのある豊かなヴォーカルが光り、かつR.Frippのダウナーなギターが抒情的なこの曲をリリカルなだけには終わらせていない「Fallen Angel」、B.Brufordのパーカッシブなドラミング、メタリックなテーマや中間部における暴走寸前のサックス・プレイがたまらなく魅力的な「One More Red Nightmare」、そして「Starless」とバンドとして試行錯誤を経て円熟の域に入りかけた時期の充実した演奏が全編で聴くことが出来ます。

特に「Starless」においては、アルバム収録以前のライブにおいて繰り返し演奏されて曲の骨格はすでに完成されたものとなっており、ライブでのD.Crossのヴァイオリン・パートは収録時においてはI.McDonaldのサックス(注;ここのサックスはどうやらM.Collinsらしい(?)のでチト確証はもてないんですが、I.McDonaldだったら良いなぁっていう思い込みもあります(笑))へとチェンジし、より力強いものとなっています。

この曲は12分以上にわたる長い曲となっていますが、全体の緩急の対比と、スローなヴォーカル・パートから始まり、中間部の不安を煽るような執拗なギター・リフを経て、狂的なギターの炸裂音から雪崩れ込むように騒乱へと突入し、そしてラストにて再びメインのフレーズへと帰結するという、あれよあれよというまに終わってしまう曲に仕上げられているため、12分という時間などはこれっぽっちも感じさせない見事なものとなっています。また、「クリムゾン・キングの宮殿」以来、バンド自らが培ってきたほぼ総てのテクニックや音楽的アプローチを投入しているために、クリムゾンの集大成といえるものになっています。

この曲に関しては特になんですが、もう、何をどう書いてもこの楽曲の良さは伝わらないだろうという歯痒い思いはあるのですが、ま、とにかくクリムゾンの中でというより、今まで聴いてきた洋楽・邦楽の楽曲の中でトップを占めるくらい私の中では重要な曲になっています。

余談としては、日本のプログレ・バンドが発表したこの時期のクリムゾンの完コピに近いライブ・アルバムがあるのですが、その中で「暗黒」は始めのヴォーカル・パートがバッサリとカットされており、中間部以降のインストルメンタルのみを収録されていました。この曲の素晴らしいところはその部分にあるので、それはそれで正解だななんて思った記憶があります。

また、J.WettonのASIAでのライブ・アルバムやソロ・ライブ・アルバムでは逆にヴォーカル・パート中心に演奏していました。重要なインストルメンタル部分の演奏はライブのメンツやWetton自身のテクニックの衰えなどから決して過去以上の素晴らしい演奏などは期待出来ないため、その処置もまぁ、オッケーだと思いました。演奏自体は全体の印象を3分程度にギュッと手堅くまとめた上手な構成になっていたし、それより何より、実際のヴォーカリストだったわけだしね。

なんかひどい事(↑)書いているように思えますが、ここ数年のJ.Wettonは私の中では「ベーシスト」というよりも、希有の才能と説得力を持った「ヴォーカリスト」という認識があるため、昔を振り返るようなゴリゴリ・ベースや華麗なインストなどは期待していません。あのヴォーカルさえ聴くことが出来れば良いんです。

バンドへの鎮魂歌としても機能するようなこのアルバムをもってクリムゾンは解散...したはずだったんですが、1981年にまさかの再々度の復活をすることとなります。



2006/12/20 追記
という訳でこのアルバム・リリース直後にR.Frippによって解散をさせられてしまうKing Crimsonですが、上述したようにその直前にはR.Fripp・J.Wetton・B.Brufordの三人に加え最初期の重要メンバーであったIan McDonaldが復帰し4人体制でのKing Crimsonを始動直前にR.Frippの翻意によりポシャったという経緯がありました。

そして年代は下って、の時期にはR.Fripp側からの提案により、R.Fripp・J.Wetton・Michael Giles・I.McDonaldの4人でのバンド結成も画策されていたようです。レパートリーは69年から74年の間の作品の中から選び、一週間リハーサル、一週間はアメリカのクラブを回るツアー、一週間は日本でライヴを行なうという計画を提案したそうです。

J.WettonもM.Gilesもこの話には乗り気だったらしいというのを雑誌では読んだのですが、しかしながら今度は逆にI.McDonaldの方から「ヴォーカルはGreg Lakeじゃなきゃ嫌!オリジナル・メンバーが揃わなきゃ嫌!!」という理由でお流れに。I.McDonaldはR.Frippによってチョイスされたメンバーでのバンドは考えられず、第1期メンバーによるKing Crimson再結成しか考えられなかったのかもしれません。オリジナル・メンバーをバックにJ.Wettonによって歌われる「21st Century Schizoid man」やI.McDonaldやM.Gilesらが加わった「Larks' Tongues In Aspic Part II」や「Red」...今となってはif話になってしまいますが、実現していればこれらが聴けたのかと思うとこれもこれで凄く勿体無い話だと思いました。I.McDonaldのバカバカ。

それとこの提案についてR.Frippがしっかりと日本でのライブを計画に入れていた所に、凄く良く解釈すれば「日本のファンを大切にしてくれているんだなぁ」、普通に解釈して「クリムゾン・オタも多いし、日本の客は金払い良いしね」、悪く解釈して「金か!金なのか!?」となるんでしょうけども(笑)。

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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

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録音技術

アナログ時代より親しんだ一枚です。そのため論をアナログ聴感基準で申します。
昔はじめて本作を聴いたとき、すぐに感じたのは音が格段に向上していること。深みがあり奥行きがあります。当時の私のチープなオーディオ装置でも感じたくらいです。音のない沈黙Timeでもぞくぞくした雰囲気があるんです。
Asiaというバンドが初来日した際、もっぱらハウにはYesを、WettonにはKC時の質問ばかりを日本のメディアはしていたそうで、尋ねる側も恐縮していたそうですが、二人とも結構熱心に答えていました。その時のWettonの弁に、Red時は録音トラックが増えているということを言ってました。 ためし録音を聞いて面子はみなその向上した音質にため息をついたそうです。

それで納得できました。本作のやや過剰なアレンジが。
Larksからはじまったこの期の音は徹底してそぎ落としたものです。
メロトロンで始まったこのバンドが真逆の音を目指していたんです。しかしこの録音を耳にして、初期の重厚さを再び思い描いたのではないか、クロス作のシンプルな曲を荘重な響きにしたい誘惑が沸いたのではないか、そう思います。マクドナルドの復帰もその延長ゆえと想像しています。

管楽器の起用と深みのある録音により、この時期にしてはアレンジが過剰になりました。部分によっては臭みもあります。
KCの誕生は理論じゃない、技術だといわれます。メロトロンが生んだバンドだったわけで。同じことがこの期にも録音技術向上を通して
新しいサウンドを生み、締めくくったわけです。

>>ICARUSさん

どもどもです。

>>メロトロンが生んだバンドだったわけで。同じことがこの期にも録音技術向上を通して
>>新しいサウンドを生み、締めくくったわけです。

なるほど。第1期はメロトロン、第4期はスティック、第6期はV-Drumと新しもの好きの嗜好から飛び付いて面白いサウンドを生み出していったのがKCという認識があったのですが、この第3期の末期においては飛び道具的なものでは無くそういった録音技術の正当進化による進歩・進展があったという訳ですね。

第3期や第4期、第5期は人的な飛び道具(J. Muir、A. Belew、T. Gunn)により進歩したという思い込みもあります。
未だに続いているんだか何なんだかな第7期のGavin Harrisonが飛び道具になりえたのか否かは楽しみなところだったんですがねぇ(遠い目)

アナログが発売された頃のリアルタイムな話は全く解らない為、勉強になります。有り難うございます。
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