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King Crimson / VROOOM

ヴルーム(紙ジャケット仕様)
キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント (2006-07-26)
売り上げランキング: 160554

クリムゾンのボックス・セットを皮切りに、R.Frippの口から出されたクリムゾン復活宣言から待つこと3年、今か今かと待ち望んでやっと発売された6曲入りミニ・アルバム。

King Crimson line-up 5
第5期クリムゾン

VROOOM : ヴルーム
Mini album ; 1994

1 : VROOOM : ヴルーム
2 : Sex Sleep Eat Drink Dream : セックス・スリープ・イート・ドリンク・ドリーム
3 : Cage : ケージ
4 : Thrak : スラック
5 : When I Say Stop,Continue : ホエン・アイ・セイ・ストップ、コンティニュー
6 : One Time : ワン・タイム

Personel
Robert Fripp : Guitar
Adrian Belew : Guitar,Voice,Words
Trey Gunn : Stick
Tony Levin : Basses and Stick
Pat Mastelotto : Acoustic and Electronic Percussions
Bill Bruford : Acoustic and Electronic Percussions

とにかく発売までの間、R.Frippはメンバーを3人(R.Fripp、A.Belew、T.Levin)しか公表しないわ、ドラマーは「Sylvian & Fripp」のドラマーだったJerry Marottaだと言いつつも、「Sylvian & Fripp」のツアーにはJ.Marottaを解雇して現メンバーのP.Mastelottoを引き連れ、「J.Marottaは?」と訳分からなくさせるわ、ヴォーカルをD.Sylvianにアプローチするわ(早い段階でこの話はボツになったようですが)、そんなことよりもB.Brufordは雑誌のインタヴューでいつの間にかドラマーが他人に決まっていることに落ち込んでしまうわと、アルバム発表直前までバンドのフォーマットさえも決まっていないかに見え、「ホントに出るんかいな?」とファン(というか私)をヤキモキさせたものです。

そして発表されたフォーマットが、6人編成、しかも第4期のメンバーにT.Gunn、P.Mastelottoの二人を加えたギター・ベース(スティック)・ドラムが二人ずついるという「ダブル・トリオ」編成だったのにはビックリした思い出があります。

よくツイン・ギターとかツイン・ベース、極く稀にツイン・ドラム(そういえば第3期のアルバム『Larks' Tongues In Aspic』もニュアンスは少し違いますがそうでしたし、第4期もライブではB.Bruford+A.Belewでツイン・ドラムの演奏をしていました)っていうバンドはありますが、「ギター・ベース(スティック)・ドラム」の『トリオ』が『ダブル』っていう、なんていうか、往年の「クイズ・ダービー」の『倍率ドン!、2倍、3倍、8倍??、さらに倍』みたいな(←?、例えが古いし、今の人は知らないだろうな(苦笑))形態だけで、もう期待するなというほうがオカシイでしょう。

音も「レッド・クリムゾンのイディオム」を再び使う「メタル・クリムゾン」になるだろうというR.Fripp自身のインタヴュー記事を読んだ日にゃぁ、発売日が近くなるにつれアドレナリンやら脳内麻薬が出まくるのは当然としか言えませんでしたね。
もちろんのこと、発売日の前日に予約購入したのですが、そん時は興奮しまくってたもんなぁ(苦笑)。

で、音を聞いた瞬間にもうイキまくってました、ホントに。

1曲目の「VROOOM」はまさに「レッド」など第3期の脈絡を見事に受け継いでおり、メタリックなブ厚い音隗で迫ってきますし、「スラック」は硬質なインプロヴィゼイションに使用されることを端から予想して造られていながらも未完成な荒々しさを持った力強い仕上がりとなっています。

また、第3期・第4期のイディオムがうまく融合したかのような「Sex Sleep Eat Drink Dream」、ヴォーカル面では第4期にて「David Byrneもどき」などと散々コケにされたA.Belewもソロ経験を積み重ねてきた結果、幅広い表現力を持ったことを証明し、演奏面でもドライな叙情性を久々に見せたように思える「One Time」など、聞き所満載でしょう。

上記4曲は後のフル・アルバム「THRAK」にも新たに録音され収録し直された楽曲群なのですが、実は私のお気に入りはフル・アルバムたる『THRAK』に収録されなかった「Cage」と「When I Say Stop,Continue」なんです。

「Cage」は第3期のイディオムに頼ることなく、第4期クリムゾンが正当に進化した様を見せるかのような精密な音の洪水によるスピード感と重厚さが一体となった名曲であり、「When I Say Stop,Continue」はスタジオ・インプロヴィゼイション・ライブ一発録音のような加工前の荒々しさと混沌とした景観がたまらない楽曲となっています。

第3期と第4期の融合といった面も重要ですが、クリムゾンとしての音楽への衝動性というものを見事にパッケージングしたという点や、ただ単純に回顧チックに過去の脈絡を引っ張りだすというのではなく、見事に現代にクリムゾンの音楽を復活させた点、そしてアルバムの随所にみられるような、現在の音楽シーンの潮流であるテクノやアンビエント・ハウスなどのイディオムをもバンドに取り込んでしまうという点など、キング・クリムゾンというバンドの懐の深さをこのアルバムは見せつけているような気がします。

このアルバム、まだ練り込まれる前の「バンドの青写真」であるということから、体裁としてはミニ・アルバムということになっていますが、独立したアルバムとしての十分なパワーを持った一枚に仕上がっていると思います。

後述する「THRAK」よりも、「ダブル・トリオ」というフォーマットの未知なる可能性を感じさせ、バンドとして暴走寸前の衝動性を詰め込んだかに思えるこのアルバムの方が断然好きです。

P.S. 「第5期のアルバムが第3期と第4期の融合といった形で造られたことにより、異様に評価の低かった第4期が見直された」ことや、「『VROOOM』・『THRAK』は第3期と第4期のブリッジとなるべきアルバム」といったことも考えられるのですが、それにしてもクリムゾンという存在は、第3期のイディオム、もっといえばその源流である「宮殿」の背後霊からは逃れられないんだなぁと、つくづく感じさせられた一枚ではあります。

そのことが良い・悪いっていうんじゃなくて、逆に積極的に肯定すべき点であると思うんです。そーじゃなくって、私が言いたいのは、ただ単に「『ディシプリン』もイイんだよ」っていうことだけです。そこで、「第4期のアルバム3枚も全部イイんだよ」って言えないのがツライとこなんですがね(笑)。



2007/01/05 追記

後のオリジナル・フル・アルバム『The Power To Believe』に対するミニ・アルバム『Shoganai』やミニ・ライブ・アルバム『Level Five』や、もっと言えば『The ConstruKction Of Light』に対する「次世代のクリムゾンの調査・開発部門」という位置づけでのProjeKctシリーズの各アルバムを発売するといった形はこの『VROOOM』から始まったと考えられます。

以前のクリムゾンでしたら、まずライブを行いそのフィードバックをニュー・アルバムへと還元するといったものでしたが、このミニアルバム以降のKing Crimsonはライブも行うけれどもまずはスタジオ・ミニ・アルバムを製作し、次のフル・アルバム向けの楽曲達の大まかな形をデッサンし、それを再度新規にレコーディングしオリジナル・アルバムを作るという何段階かのステップを踏んでアルバム製作に望む形が定着してきたようです。

嫌な見方をしてしまえば、ファンの興味を常に引きつけ逃さない為にアルバムのアイデアを小出しにしその都度ファンの財布から金を出させるという、守銭奴的なやり方、とも言えましょう(苦笑)。今のベスト・アルバム乱発やら紙ジャケ再発やらも同じと言えますが、まだ将来に向けてのミニ・アルバムの方が数段良心的ではあるわな。

今だからこんな上から見た物言い(笑)をしてはいますが、上にも書きました通り、この『VROOOM』発売前の興奮といったらとんでもないものがありました。ソワソワしちゃって部屋の中をウロウロしちゃって、まるで「動物園の檻の中のクマか、オマエは!?」っつーぐらいでした。

私がリアルタイムの新譜として買った初めてのアルバム(ミニ・アルバムですが)がこの『VROOOM』でしたので思い入れもより強いものとなっています。アルバム発売以前からKing Crimsonのファンになっていた為、音楽雑誌やら何やらを買い込んではまだ見ぬ新譜に思いを馳せていましたっけ。そこでR.Frippの「King Crimson7年周期説」をぶち上げたり、7年といっておきながら結局は10年近くぶりになっちゃったり、「クリムゾンの本質は『エネルギー』『情熱』と『折衷主義』である」とか分かったような分からんような事を答えていたりで、この頃から「あぁ、この人の話は話半分で聞かなきゃイカンかも?」等と遅まきながら学習したのでした(笑)。

でも、しかしながらそんな音楽以外の文言を軽く吹き飛ばすくらいに、このアルバムを初めて聴いた時の衝撃波は強力なものでした。ここには偉大な可能性の原石が眠っていると今でも確信しております。それだけに後のフル・アルバム『THRAK』を聴いた時の肩透かしを食った様な印象は自分でも意外でしたっけ。

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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

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