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King Crimson / Shoganai

Shoganai.jpg

2002年に行ったツアーの中から新曲・既発曲を収めたライブ・アルバム『LEVEL FIVE』から早7ヶ月、来年2003年初頭にも発売されると言われている次期アルバム『Power To Believe』に先駆け、再びミニ・アルバムという形で『Shoganai』が発表されました。

King Crimson line-up 6
第6期クリムゾン

Shoganai : しょうがない
- Happy with what you have to be happy with : ?ハッピー・ウィズ・ホワット・ユー・ハフ・トゥ・ビー・ハッピー・ウィズ
mini album ; 2002

Album
1 : Bude : ビュード
2 : Happy with what you have to be happy with : ハッピー・ウィズ・ホワット・ユー・ ハフ・トゥ・ビー・ハッピー・ウィズ
3 : Mie gakure : 見え隠れ
4 : She shudders : シー・シュダーズ
5 : Eyes wide open : アイズ・ワイド・オープン
6 : Shoganai : しょうがない
7 : I ran : アイ・ラン
8 : Poteto pie : ポテト・パイ
9 : Larks' Tongues in aspic (part IV) : 太陽と戦慄(パートIV)
10 : Clouds : クラウズ
Secret Track
11 : Einstein's Relatives : アインシュタインの親戚

Personal :
Adrian Belew : Guitar and Vocals
Robert Fripp : Guitar
Trey Gunn : Warr Guitar,Rubber Bass,Fretless Warr Guitar
Pat Mastelotto : Drumming

ライナーやDGMの日記などから、このミニ・アルバムはフル・アルバム『Power To Believe』用にと時を同じくして作られた16曲の中から、4曲がピック・アップされ収録されているようです。その他の曲はフル・アルバム用に再び作り直され、ニュー・アルバムに収録されるようです。

収録時間33分という短い時間の割には計10曲(M-10の終了40秒後に、隠しトラックとして「Einstein's Relatives(アインシュタインの親戚)」が収められているので計11曲、か)と曲数があるように思えますが、M-1・4・7・10などの曲は加工されたヴォイスで構成された30秒程度の短いインタールード的な曲のため、実質としては5曲とも考えられます。

またM-9には「太陽と戦慄 Part IV」のライブ・ヴァージョンが収録されています。これはR.Fripp御大曰く「Nouvo Metal(ヌーヴォー・メタル)のスタイルの原点がこの曲に存在する」曲なので、ライブ・バージョンといった形で再録されたようです。

A.Belewのエフェクトの効いたヴォーカルが冷たい湿り気と陰影を与えるM-1をプレリュードとして始まるのが、洋盤ではタイトル・トラック、邦盤ではサブ・タイトルとなっているM-2です。まるでグランジ/オルタネイティブ・ロックのようなギター・リフが特徴的、というか、まるでグランジ。後で詳しく述べますが、グランジという要素が曲の「エッセンス」としてではなくメインの「支柱」のように比重が大きくなっているのがチョット気にはなります。

 M-1のようなBelewのヴォーカルに導かれるように始まる、frippのサウンド・スケープが短いながらも印象的なM-3ですが、クリムゾン本体のファンにはすこぶる評判が悪いであろうサウンドスケープをクリムゾン名義で出すのはどうかとは思いますね。

きらめくようなサウンドスケープの「音環境(←まさに、ね(笑))」を愛してやまない私、個人的には非常に気に入っている1曲なんですが。

この曲の難を言うとすれば、曲が2分と短すぎるのがかえってダメなんじゃないか?、と(苦笑)。

再びインタールードとしてのM-4を挟み、ボサ・ノヴァ的なメロディがクリムゾンらしからぬ印象を際立たせているM-5へ。ミディアム・テンポでありつつ、バラードとして機能している曲とBelewのヴォーカルはなかなか良し。加えて、全編のバックと要所要所で効果的にフィーチャーされているサウンド・スケープが、全体のトーンをまとめつつ、アクセントとして良い効果を生んでいるように思います。

ジャケットにはアコースティック・バージョンとあるので、次のフル・アルバムでは全くアレンジの異なる物となるかもしれませんので、そちらも楽しみ。

個人的にもっとも???と納得いかなかったのが次のM-6。ガムラン調、というよりも、もろガムラン。イヤ、現地のガムランを聞き込んだ人から言わせれば、『こんなの「もろガムラン」なんかじゃないやい!』なんて言われちゃいそうですが、これもまさに主客転倒、というか、なんか履き違えている気がしてならない1曲です。

この曲の金属的な音色、ねじくれるような曲の形は非常に好みなだけに、あまりにも捻り無さ過ぎな形でこれが「クリムゾンの新曲でござい」って言われると余計に、「...チョット待てよ?」と素に戻っちゃう自分がいたり。

また再びM-7をインタールードとして始まるのが、ここまでブルースと向かい合った曲はクリムゾン初と思われるM-8です。

ま、細かい事言っちゃうと、The Collectors` King Crimson Volume Six「Live in Detroit 1971」で聴く事の出来る、『Islands』のメンツでの豪快ブルース・セッションがあるじゃないか、っていう話にもなりますが、あれをクリムゾンとしてブルースに向かい合った演奏だとはとてもじゃないけど思えません。アレ、私にとってはただのメンバー(-(マイナス)Fripp)の自棄にしか聴こえませんし。

閑話中断。M-8に話は戻って、これがブルース、といってもクリムゾン的フレーズはそこかしこに顔を出し、純粋なブルースでは決して無い曲には仕上がっていると思うんですが、じゃぁ、それが成功しているか?となると素直には頷けないかな。ウ??ン、かなり微妙。

そして冒頭にも話題に出したライブ・バージョンであるM-9、これはもう素晴らしい仕上がりとなっています。The Collectors` King Crimson Volume Six「Live in nashville 2001」で同様、スタジオ・バージョンよりもライブを重ねた末から数段の進化が感じられる楽曲、そして演奏となっており、まさにこれこそが「Nouvo Metal」クリムゾンの面目躍如!たる1曲となっています。

実を言えば、この曲があったおかげでホッと一安心したという事実もあったり(笑)。逆に言えば、それだけこの曲だけが今回のミニ・アルバムの中で非常に浮いているっていうことも言えます。

で、コーダたるM-10でアルバムは終わるのですが、この曲の40秒後に隠しトラックであるが始まります。P.MastelottoとエンジニアのB.Munyonのユニット“BPM&M”の手触りにも似てとれる、スタジオ内の声や曲を細切れにサウンド・コラージュしたもの。どこかで聴いた事のある一節がそこいら中に顔を出し、最後は観客の声援を処理して(←推測ね)なんと1stの「 In The Court Of Crimson King」のコーラスを一瞬聞かせ、唐突に終わるという、何だかキツネにつままれたような曲。

「アイランズ」のラスト、ノンクレジットのリハーサル・ノイズが聞こえるコーダ部分(Difinitive Editionではカットされていたが、現在のリマスター盤では復活している...筈、アイランズはリマスター盤買ってないのよね)と、T.Levinが一人四役アカペラを高らかに歌う「Tha King Crimson Barber-Shop」、それに紅伝説(←前々から思ってたんだが、このネーミングは恥ずかしいよな(笑))のプロモ用のシングル『The Abbreviated King Crimson: Heartbeat』のラスト、様々な時期の楽曲をカット・アップ/コラージュして造ったような「Medley」、これらを3つの作品を足して2で割らないような、そんな感じな終わったあとキョトンとさせられる一曲。

お遊びの曲だとは思いますが、アルバム『The ConstruKction Of Light』の「Heaven And Earth」がProjeKct X に繋がっていったように、この曲も次期アルバムに繋がっていくんじゃないかとの不安もチョットあったり。イヤ、たぶん無いとは思いますが。きっと無い筈。いや、でも。あったらどうしよう...。

今まで書いてきて自分でもどうも歯切れ悪いのがイラつくんですが(笑)、その理由としてまず、雑誌のインタビューやライナーなどでも盛んに“Nouvo Metal”と謳い、前作のミニ・ライブ・アルバム「Level Five」でもまさにその路線を感じ取る事が出来、力強く頼もしい仕上がりになっていました。

しかし、このアルバムでは『Level Five』からの連続性もほとんど感じる事が出来ず、かといってまるで違う側面からの新しい語彙で“Nouvo Metal”を表現しているかというと、それも違う気がします。

次に疑問なのが、今回のアルバムの曲において「グランジ風」だったり「ガムラン風」だったり「ボサ・ノヴァ風」だったりと、様々な引き出しから語彙を引っ張ってきているようですが、それら「?風」というものが曲のアクセントとして作用しているのではなく、アクセント自体ががメインになってしまっている気がします。

これまでのクリムゾンも自らの語彙をクラシックやジャズ、フリージャズや民族音楽、ガムランetc.etc.から持ってきてはいたのですが、それをクリムゾンというフィルターを通して自分の言葉として、音として再構築し曲を作り上げてきたのだと思います。そのフィルターがあまりにも薄かったかなというのが今回のこのアルバムで痛切に感じた印象です。

次期フルアルバムへ繋がる音として「Level Five」は非常に期待を持てる力強いものだっただけに、今回の迷走ともとれる雑多感がチト不安材料だったりはします。まぁ、きっとこの新しい路線での迷走っぷりも、「Level Five」の音と整理統合され、きっと力強いアルバムが出来上がると信じて『Power To Believe』を待つ事としましょう。
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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

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