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King Crimson / The Power To Believe

ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ
キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント (2008-03-26)
売り上げランキング: 26353

2003年に発売され現段階でKing Crimsonの最新作、そしてTrey Gunnの脱退に伴いラインナップ6では最後の作品となるアルバム。

King Crimson line-up 6
第6期クリムゾン

The Power To Believe : ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ
(2003)

Album
1 : The Power To Believe I:A Cappella : ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ1:アカペラ
2 : Level Five : レヴェル5
3 : Eyes Wide Open : アイズ・ワイド・オープン
4 : EleKtrik : エレクトリック
5 : Facts Of Life:Intro : ファクツ・オブ・ライフ:イントロ
6 : Fact Of Life : ファクツ・オブ・ライフ
7 : The Power To Believe II : ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ2
8 : Dangerous Curves : デンジャラス・カーブス
9 : Happy with what you have to be happy with : ハッピー・ウィズ・ホワット・ユー・ ハフ・トゥ・ビー・ハッピー・ウィズ
10 : The Power To Believe III : ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ3
11 : The Power To Believe IV:Coda : ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ4:コーダ

Personal :
Adrian Belew : Guitar and Vocals
Robert Fripp : Guitar
Trey Gunn : Warr G,Fretless Warr Guitar
Pat Mastelotto : Traps And Buttons

2001年にフル・アルバム12thとなる『The ConstruKction Of Light(以下TCOL)』、そしてProjeKct X名義にて『Heaven And Earth』をリリースした後、活動を停止していたクリムゾンですが、2002年に再び新たなるサウンド・コンセプト「ヌーヴォー・メタル(日本版ライナーでは「ヌゥオヴォ・メタル」)」を掲げ、ミニ・ライブ・アルバム『Level Five』、ミニ・アルバム『Syoganai』を発表、そしていよいよフル・アルバムとして発売されたのがこの『The power to Believe』です。

先に未完成であろう楽曲達をとりあえずミニ・アルバムとして発表し、後にフル・アルバムとして完成形を示すというやり方は『VROOOM』→11th『THRAK』でも見られたやり方です。そしてもっといえば最初期から第4期まではライブで作り込んだ楽曲をアルバムとして発表するといったものでした。

しかし、ライブにて楽曲を練り上げそれをアルバムにするというそれまでの手法は、ライブを行ったミュージシャンのあずかり知らぬところでそのライブが海賊版業者によって即座に質の悪いブートCDとして流通してしまうという現在において、ミュージシャンの理に適ったやり方とはとても言えないのでしょう。海賊版対策の意味も込められ発売されたであろう『Level Five』、そしてフル・アルバムへの進化の過程を見て取ることが出来、クリムゾン・マニア達への業務進展状況報告書(笑)たるミニ・アルバム『Syoganai』が発売されました。

今回はミニアルバムが2枚出された後のフル・アルバムということで、曲自体の鮮度の低下やクリムゾン特有の後になればなるほどの作り込み過ぎによる硬直化といったものが個人的には心配していたアルバムでもありました。

そんな心配事をよそに、このアルバム、とても力強く前作『TCOL』からの進歩・成長(「進化」とまでは言えません)がそこかしこでビンビン感じられるアルバムに仕上がっていると思います。第4期以来久々に同じメンバーによって制作されたこともあり、前作で向かいつつあった方向へより進んだかに思える仕上がりです。

反面、前述した通りミニアルバムを2枚も出しており、再録音されたとはいえ同じ曲が並び、実際に新曲と言えるのがM-6「Facts of life」だけというのは少し寂しくもあります。とは言え、既出曲は軒並み成長が見られフル・アルバムの曲と呼ぶに相応しい仕上がり具合を見せているだけに、2枚のミニ・アルバムの存在が蛇足とは言わないまでも、少々必要性に欠けている気がしてならないところが正直な気持ちです。

 ...いや、『Level Five』も『Syoganai』もそれぞれ好きなんだけどね、やっぱマニアだし(笑)。

エフェクトをかなり効かせたA.Belewのヴォーカルがアルバム全体の統一感を担う「The Power To Believe」 をアカペラで歌い上げるM-1からこのアルバムは幕を開けます。 そしてダイナミックな跳躍を見せるM-2へと続いていきますが、この静謐なM-1から爆音を轟かせるM-2への流れは2th『In The Wake Of Poseidon』と錯覚させる構成となっており、ちょっとニヤリとしちゃいました。

「自己模倣では」とか反対意見はあるのでしょうが、 細かくは後で述べますがクリムゾンのアルバムとしてあえてこの並べ方にしたのだと思います。『Discipline』もそうだったのですが、曲順によってはもっと旧来のクリムゾン・ファンにアピールするアルバムになったのではないかと思いますね。

で、M-2。アルバム全体にも言えることなんですが、DrのP.mastelottoの成長ぶりとクリムゾン・サウンドへの貢献ぶりは只者じゃないほどに凄いことになっています。Mastelottoのアルバムと言っても過言ではない...、いや過言か(苦笑)。まぁ、とにかくそれくらいmastelottoがこのバンドの手綱を引きずり回しているのがよく分かるのがこの曲だと思います。

楽曲としては『Level five』のトコに書いたように、「Larks' Tongues In Aspic」や「THRAK」など過去の文脈をそのままなぞり、自己サンプリングしたかのようなものなのですが、ミニ・アルバム『Level five』よりも格段に手数の多いMastelottoのドラミングと、Frippのテクノへの傾倒が良い意味での影響として感じられ、数段優れたものとなっています。ミニ・アルバム版の同曲もライブ録音という勢いがあるため、手放せないものではあるのですがね。

『Shoganai』ではクリムゾンとしては異例のボサ・ノヴァ的なメロディを見せたM-3、このアルバムVer.ではGunnとMastelottoのリズム隊がより前に出てきており、ミディアムなバラード調なのだけれどもよりグルーブの強調された仕上がりとなっています。楽曲としての完成度は上がっていますが、これはシンプルだった前作の方が良かったかも。

M-2と同じくバンドとしての成長ぶりが伺えるM-4。この曲ではクリムゾンの目指すデジタル・サウンドといったものやFripp言うところの「ヌゥオヴォ・メタル」の形の片鱗が垣間見られるものとなっている気がします。「THRAK」に対する『 THRaKaTTak』のように、この曲を主軸に新しい曲達が次々と生まれてくることに期待したいです。

M-5のFrippのサウンドスケープとMastelottoの激しいドラミングをイントルーダとして始まるM-6は上でも述べた通り、ミニ・アルバムとカブる曲が多いこのアルバムの中では純粋な新曲と言える曲です。アルバム中もっとも所謂ハード・ロックやヘヴィー・メタルに近寄った楽曲となっており、重めのギター&ベース・リフなどは逆に聞きやすい曲に仕上がっているのではと思わせる、何だか書いてる自分もグルッと回って変な気分にさせられるものです(笑)。

いつもはもっと難癖の強いリフとリズムがあり、引っ掛かるような展開にクリムゾン・サウンドとしての真骨頂を感じるので、こういった、ストレート(イヤ、普通からするとこれはこれでイヤなリズム&リフ展開ではあるんだが)な楽曲はチト新鮮でした。
中間部のFrippのものと思われるギター・ソロもFrippの1stソロ『Exposure』を思い出させるソロとなっており、そんなところでもニヤリとしたり。

M-7では再びアルバムのテーマとなるフレーズが繰り返される構成ですが、この曲、『Level Five』の「Virtuous Circle」と『Syoganai』のもろガムランな「Shoganai」の2曲をニコイチにした造りとなっており、『Syoganai』ではあれほど疑問に思ったガムラン臭さもしっかりとしたクリムゾン・サウンドになっているから、大したもんだ(笑)。

中近東的なフレーズから始まり、クリムゾン的ベース・ルートからアジア的な展開、サウンドスケープがバックに広がりその上で奏でられる美しいギター・ソロへとつながるこの曲、なかなかのお気に入り。Belewのヴォーカルも「これが入ったから曲としてのまとまりが完成」といったものに仕上がっているし。

続くM-8は2ndの「The Devil's Triangle」や5th「The Talking Drum」を思い起こさせ、ミニ・アルバムにおいても「特にP.Mastelottoのドラミングの手数の多さとそのカッコ良さにはマイッタ」ということを書いていたのですが、今回はそれ以上に、もーマジでカッチョいい!毎回毎回書くのはシツコいかもしれませんが、これもMastelottoサイコー!な一曲。だってカッチョいいんだもの、パーカッションが。

古典的クリムゾンともテクノ的とも言えるリズム構成とギター・リフ、そして中間部分から入ってくるベース・ルートが背筋をゾクゾクさせるほど緊張感溢れる展開にさせており、唯一War G.奏者のGunnの面目躍如といった一曲となっています。
発売日前日、会社帰りに即効でCD屋に立ち寄り、帰りがけの車の中で聴いていたのですが、とりあえずこの曲が最高に盛り上がった瞬間「キターーー!!」と一人車内で叫んでおりました、私(苦笑)。

ミニ・アルバムで聴いたときにはだいぶ不満に感じたM-9ですが、アルバムVer.ではサイズもコンパクトにまとめられており、タイトかつストレートに仕上げられたせいもあり、今回は逆になかなかの好感触。これの日本版シングルも出るっていう話だったのがライナーによると中止になった模様。ま、そりゃそうだわな。わざわざシングルカットしたところで日本で売れる訳ねぇだろーし、それは正解(苦笑)。

アルバムのテーマたる「PtB」の3であるM-10はProjeKctシリーズから繰り返し繰り返し演奏され続けてきた「The Deception of The Thrush」にBelewのヴォーカルを被せたもの。確かに確固たるクリムゾン・サウンドに仕上がっていることは確かなんですが、正直もう飽きた。何回出しゃ気が済むんだよ!ぐらい言いたい(笑)。

で、ラスト、再びPtB4であるM-11はFrippお得意のサウンドスケイプにM-10と同じくBelewのヴォーカルを被せたもの。いつも思うんですが、サウンドスケイプは線の細いヴォーカルやしっとりとしたもの、女声ヴォーカルとは非常に相性が良いなという事。Belewのヴォーカルとも非常にマッチしており、2分30秒で終わらせてしまうのは勿体ないと思います。ま、サウンドスケイプが苦手な人もいるとは思いますが。

アルバム全体の印象は前作に比べ進歩は見えるものの、全体としての焦点があまりにもぼやけてしまっていて散漫なものとしかとれません。曲順・構成を変えれば...とも思えますし、果たしてそれだけなのか?との思いもあります。個々の曲は悪くないだけに非常に勿体ない仕上がりだと思います。

アルバム発表後、Crimsonでやるべき事はやり終えたとの思いからかT.Gunnが脱退、T.Levinが出戻り再び四人体制でスタートするKing Crimsonですが、これまでのヌーヴォ・メタル路線からどのように変わっていくのか、変わらないのか、はたまたそれよりもp.Gabrielのツアーに出てしまいがちなT.Levinでベースは大丈夫なのか?といった心配が尽きないバンドではあります。

まぁ、ここまで付き合ったんだから、これからもついてゆくと思います、マニアだしね(笑)。さて、次のアルバムは何年後なのかなぁ...?



2006/01/08 追記
この『The Power To Belive』に対するR.Fripp御大の偏愛ぶりは格別のものがある様でして、2005年に発売された4枚組みベスト・アルバム『The 21st Century Guide to King Crimson Vol. 2: 1981-2003』(以下『真・紅伝説2』)へはこのアルバム11曲中10曲もの楽曲が収められています。っつーか、「Dangerous Curves」が入ってないだけって云う話もある...。

先日発売された『The Condensed 21st Century Guide To King Crimson 1969 - 2003』(以下『濃縮』)にも11曲中6曲(「Happy with what you have to be happy with」のみEdit Version)が収められています。

ココまでの入れ込み具合はR.Fripp御大が自ら傑作と認める三大アルバム『In The Court Of The Crimson King』、『Red』そして『Discipline』と同レベルな入れ込みようと感じます。

...そこまでイイかなぁ?

それだったら、以前のエントリーの繰り返しになりますが一つ前のアルバム『The ConstruKction Of Light』(以下『TCOL』)の方が断然良いと思っている私はファン失格なのでしょうか?そうなのかしら。傑作と思っている『TCOL』からの楽曲は『真・紅伝説2』にもはライブ・バージョンは収めれてはいるけれども、スタジオ・バージョンは一曲たりとも収められていなかったり『濃縮』には一曲たりとも収録されていないという随分な差別のされっぷり。

「何故!?」等と疑問をR.Fripp御大にぶつけた所でしち面倒くさい文言を並べ相手を煙に巻くような回答しか返ってこないのでしょう。今まで発表されたベスト・アルバムには収められるべきものは収められ、収めないと判断された楽曲は徹底的に収められないという、ベスト・アルバムの楽曲の選曲には殆どブレがありませんでした。なので、多分またいずれ出るであろうベスト・アルバムにも『TCOL』からのスタジオ・バージョンが収められるのではないか?という希望に対してはちょっと悲観的だったりします。

ま、あんまり悲観的な事ばかり書いていても仕方ないので、ここは今年2007年に再開されるといわれているKing Crimsonの新作に期待しておりますって事で〆させて頂きます(←あぁ、またグダグダな〆だな、オイ)

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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

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