Portishead / Third
Portishead
ISLAND (2008-04-28)
売り上げランキング: 19058
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Portisheadの10年ぶりとなる3rdアルバム。
と、知ったように書いておりますが、Portisheadって誰?状態で購入。そのジャケットの極くシンプルなジャケットの格好良さに惚れてジャケ買いしたのでありました。
このアルバム、格好良いっていう言葉よりも凄いアルバムという方が私としてはしっくりするほど、強烈な印象がありました。激しくも高揚感の抜けきったビートを刻むパーカッシブなドラム、暗鬱として深い闇の底から聴こえてくるようなBeth Gibbonsのボーカル、感情を枯らしたかのような単調なギターの音色。3人の組み合わせからダークでへヴィーな世界を描き出しています。
ウィキペディアなどを見ますとしきりに「トリップホップ」などという言葉が散見されますが、そのトリップホップなるものが何を指し示しているのかまるで分かっていない私としては、ドイツ系のクラウト・ロック、CANやClusterなどを経た音像を思い切り暗く染め上げたものに聴こえてきたりしました。
フリーキーで走るようなドラム・サウンドと信号音のようなギター、ベース音が鋼鉄の持つ底冷えのするような冷たさを連想させるM-1「Silence」、2分を過ぎた辺りでようやくB.Gibbonsのヴォーカルが挿入されるまではインストゥルメンタル曲かと思ってました。ファンの方には申し訳ないですが、この曲はヴォーカル無しの方が格段に格好良いのに、と思っちゃいました。でもそれではこのPortisheadではなくなっちゃうんでしょうね。
その他にも、意外なところでアコースティックで微妙にメランコリックな表情とエレクトロニカのような表情を交互にを見せたりするけれども、やっぱり暗く湿り気のある重さはまとわりついているM-2「Hunter」、やはりアコースティック主体化と思いきや、曲の中盤からエレクトロニカのようなポップなテンポに移り変わるM-4「The Rip」。まさにマシンガンの掃射音を思わせるハンマービートと地底湖の精霊のような歌声が不均等な二重螺旋を描くかのようなM-8「Machine Gun」などなど。
どの曲もブツッと断ち切るような終わり方だったり、フェードアウトにしてもまるで余韻を残させないように急に絞り込む様なフェードアウトだったりと、曲の残響を響かせず音像をそのまんまゴロリと投げつけるかのような仕上がり、しかしそれが不快には思われずに、実験的な音楽でロックの本流からは外れた音楽性を追求している音なせいか、むしろ良い方向に聴こえてきます。
この手の音の背景やら、バンドの歴史、トリップホップとはなんぞや等といった事は全く分かりませんが、このアルバムの凄さは聴いた瞬間に体感しました。すげぇよ。今年私が購入したアルバムのベスト10には必ず入る勢いです。
こんな素敵なバンドを知らなかったのは口惜しかったりはしますが、それはむしろ良い事で、これからもまずはこのバンドの過去のアルバムを楽しみに購入する事が出来ますし、他にもまだ聴いた事の無い良いバンドがまだまだ世界にはあるという希望にも繋がってゆきます。すごく前向き&楽観的な私。
繰り返しますように、あくまでも暗く重い岩のような音楽ですので日常的に聴いていたらそれこそこちらまで暗鬱とした気持ちになりかねない音楽ではありますが、事あるごとに聴き返したくなる良質なアルバムだと思います。


