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Robert Wyatt / mid-eighties

[Robert_Wyatt]Mid-Eighties
「元Soft Machine」という肩書きは要らないよね?孤高のシンガー、Robert Wyattのシングル盤や12インチ盤などのミニ・アルバムをまとめ上げ、Rough Trade recordsから92年に発表されたコンピレーション・アルバム。

Robert Wyatt / mid-eighties

1:Yolanda
2:Te Recuerdo Amanda
3:Biko
4:Amber And Amberines
5:Memories of You
6:'Round Midnight
7:Pigs....(In There)
8:Chairman Mao
9:Alliance
10:The United States Of Amnesia
11:East Timor
12:Speechless
13:The Age Of Self
14:Vandalusia
15:The British Road
16:Mass Medium
17:Gharbzadegi
18:P.L.A.

普通は「まずはオリジナル・アルバム、ベストやコンピレーション・アルバムはその後」という主義の私でありまして、このサイトでもオリジナル・アルバムだけを取り扱ってきて、この後もそうするつもりなのですが、この「mid-eighties」だけは例外にします。

まぁ、何についても言える事なんですが、一番初めに買ったものには愛着が沸くもので、この「mid-eighties」も、私が初めて買ったR.Wyattのアルバムでした。他のオリジナル・アルバムもどれをとっても素晴らしいものばかりではありますが、これに限っては思い出深いものであり、愛着深いアルバムでもあります。

そして、何と言ってもこのジャケット。ホノボノとしたタッチで描かれているヒゲ面のおっさん(R.Wyatt本人なのかな?、でも本人は髪の毛はモジャモジャだしなぁ?)がイイ味を醸し出してます。なかなか、このすっとぼけた味わいのタッチは真似出来ませんよ、きっと。良いジャケです。

買った当時はまだ若かったと云う事も有り、なかなかR.Wyattのヴォーカルの良さがリアルに響かなかったのですが、R.Wyattのヴォーカル・声の持つその滋味溢れんばかりの味わいが年を重ねるにつれ、アルバムを聞くにつれ、心に響いてくるようになりました。今では手放せないアルバム達になっています。

その声を私の言葉で表すとすれば、まさに「彼岸の彼方からの音楽」としか言いようがありません。その声が響き渡ればそれだけでその場が静寂と湿り気をおびた濃霧の世界へと変貌してしまうようです。

美しい声でも無いですし、歌が上手いのかと聴かれるとハッキリ「上手い」とは答えられませんが、そんな「上手い・下手」では決して割り切れない声の持つ魅力、そしてそれが何もかもをも包み込んでしまう、そんな魅力を持ったシンガー、アーティストだと思います。

ライナーによるとM-1?4・EP『Work In Progress』、M-5、6・12インチ盤『Shipbuilding』、M-7、8・オムニバス・アルバム、M-9?18・アルバム『Old Rottenhat』全曲という構成になっているようです。

ちなみにこのライナーをよく読まなかった為に、その後気付かずに『Old Rottenhat』をつい購入してしまい、「アレ、このアルバムって持ってたよなぁ??」なんて羽目になっちゃいました。トホホ。

M-1「Yolanda」からM-3「Biko」までの流れはこのアルバムの中でも屈指の流れになっておりまして、R.Wyattのその声の魅力を存分に楽しめるものとなっております。深い霧が立ち込める森の奥から聞こえてくるかのようなキーボードの音、そして世俗を超越した仙人の如き歌声、それだけでもうそこは一面R.Wyatt一色に染まり上がります。

M-3「Biko」はもともとPeter Gabrielの楽曲なのですが、このカヴァーは「カヴァーはオリジナル以上にはなり得ない」という常識から抜け出せている数少ない曲の一つだと思います。ドライでいてウェットという特異な質感を持つヴォーカルが奏でる世界は悲しげで、それでいてなぜか力強い、そんな光景が耳の奥で広がるかのようです。

M-5「Memories Of You」のその哀切な響きは、バックの流麗なピアノの調べとともに心に染み入る名曲となっております。R.Wyattの曲全般に言える事なんですが、その根底に流れる「エコー感」と言うべきか何と言うべきなのか、楽器、ヴォーカルの終わりにたなびく残響・エコーが楽曲をより余韻深く滋味溢れるものにしていると思います。

M-9から始まる「Old Rottenhat」楽曲群では、哀切感に加え深い絶望と怒りのような感情も曲の合間に聞き取れるようで、聞いているこちらの心を締めつけられるような、そんな力を持ったものに仕上がっています。東チモールの独立問題を歌ったM-11や粗暴なアメリカを歌ったM-10、時代背景が、自身の共産党からの決別が以前の作品にもあったそういった感情をより増幅させたのかは分かりませんが、それらが聞く人の胸を打つのは間違いないと思います。

気軽に「これイイよ!」なんて勧められるアルバムでもアーティストでもないとは思いますが、いつか必ず一度は、思い出した時にでも手に取って欲しいと思います。この人ほど「滋味溢れる」という言葉が似合うアーティストはいないと思っています。

あと、最後に。学生のころだかいつだかは忘れましたが、この人のアルバムを友人と聞きながら「R.Wyattのキーボードってば、インチキ・キーボードだよなぁ、わははは」なんて酒のつまみにしていた事、今さらながらにお詫びしたいです。イヤココで詫びてどうする?って気もしますが。

今はそんな事ひとかけらも思わず、大絶賛の嵐ですよ、マジで。



2008/08/04追記
と、私のお気に入りアルバムとしてエントリーしてみたのですが、Amazonでも中古商品しかないし、HMVでも取り扱い自体が無いようですし、廃盤扱いになっちゃっているっぽいですね。アルバム『Old Rottenhat』プラスEP&レア・トラックというお得なアルバムだけに勿体ない。

上述しましたように、東チモールや現代(当時)のアメリカ、「Biko」で聴かれるアンチ・アパルトヘイトなどさまざまな問題を取り扱った政治色の強い楽曲たちではあるのですが、それらを哀切でメランコリックに、また霧の向こうから聴こえてくるようなサウンドに乗せ創り上げられた世界観はこの人のアルバムでしか聴く事の出来ないものだと思います。

このアルバムを含め、Robert Wyattのアルバムはどれもこれももう手放しで大絶賛してしまいます。アルバムでは無くいちミュージシャンとして愛してやみません。

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テーマ : 洋楽CDレビュー - ジャンル : 音楽

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